こんな経験はありませんか?
- クイズの答えが間違っていた。
- クイズの答えがもう一つあった。
- 引用したHPの情報が間違っていた。
- 問題文の表現がおかしかった。
- 誤字、脱字を見逃してしまった。
- 収録時点で答えが変わっていた。
- 時代にそぐわない用語を使ってしまった。
- 競合他社の商品をクイズにして出題してしまった。
- 通説が実は間違っていた。
- 最新情報のアップデートに気がつかなかった。
クイズのリサーチは
なぜ必要なのか?
クイズ問題は作れば終わりというものではありません。
その後にリサーチという作業が待ち構えています。
「リサーチ」というと、情報やデータをふまえ、
特定の目的や問題解決をはかるための調査のことです。
クイズにおいては問題を作る前の資料探しに加え、
問題に対しての真偽の調査を指す場合があります。
クイズ業界では特に後者の「真偽の調査」を指すことが多く、
本稿でもこちらの意味で使用しています。
このリサーチ業務は、問題作成と並んでクイズ成立の両輪であり、
欠かせない重要な工程となっています。
では、なぜリサーチが必要なのでしょうか。
それは一にも二にも、正確さと信頼性の確保にあります。
クイズ問題の性質として、エンタメ性よりもはるかに重要な点が正確性です。
リサーチを経ることで、正確な情報に基づいた問題提供がかないます。
これにより、解答者やユーザーは安心してクイズを体験し、
学習効果が得られることになります。
また、皮肉なことにインターネットやSNSの普及により情報の拡散が容易になったことで、
逆にリサーチの重要性が高まったともいえます。
リサーチが事実を保証し、誤りや誤解の広まりを防ぐ手立てとなりうるのです。
リサーチ代行の特長
年間2,000問以上
リサーチ業務を受託
創業20年
リサーチ代行の業務内容
問題文に対する正解の
事実関係の確認
別解が存在しないか、誤解される問題設計になっていないか、誤答選択肢に実は誤りとは言い切れないものが含まれていないか、必要条件はクリアできていても十分条件まではカバーできていないのではないかなど、さまざまな視点でクイズが成立しているかを検証します。
解説情報の真偽の確認
出題によっては解説を披露したいがために前振りとしてクイズを出題するケースもあるほど、情報に厚みを持たせるために重要な解説。真偽の確認は当たり前として、クイズ問題の内容と矛盾していないか、フォローの方向として適切か、情報不足やあいまいな表現によってあらたな疑問を抱かせることになりはしないかなどを判断します。
校正作業
誤字脱字のチェックはもちろんですが、固有名詞の読み方や旧字体と新字体の区別、数値などは気を配るポイントとなります。西暦と年号表記のずれ、単位の変換、オンエアや公開時の年齢など、細かい点も漏らさず神経を注ぎます。
不備が認められた
内容についての改案の提案
不成立問題に対してNGを突き付けるのは簡単で、基本的には問題を活かす視点でリサーチ作業を行います。問題文の修正案、適切な選択肢例、出題意図を損なわない正解候補などを提案します。
リサーチ代行の業務対象例
TYPE-01
一般クイズ問題
一般クイズ問題 例1
- 問題
-
太宰治が亡くなった6月19日に、毎年「桜桃忌」の法要を行っている、
太宰の墓がある東京都三鷹市のお寺はどこでしょう? - 正解
禅林寺
- 修正ポイント
-
「亡くなった6月19日」
太宰治が入水自殺をはかったとされるのが6月13日で、遺体が見つかったのが6月19日。
したがって、「太宰治が亡くなった6月19日」は「太宰治の命日である6月19日」と修正すべきです(遺体があがった6月19日が太宰の誕生日でもあったことから、この日が太宰を偲ぶ「命日」とされることになった)。
一般クイズ問題 例2
- 問題
-
1575年、織田信長・徳川家康の連合軍が、鉄砲の三段撃ちの戦術で武田勝頼の軍を破った戦いは何でしょう?
- 正解
長篠の戦い
- 修正ポイント
-
「三段撃ち」
近年では長篠の戦いにおける火縄銃の三段撃ちは創作であるという見方が強まっています。しかし、鉄砲を使ったことは史実なので、次のように改作することができます。1575年、織田信長・徳川家康の連合軍が、鉄砲を使って武田勝頼の軍に圧勝した戦いは何でしょう?
一般クイズ問題 例3
- 問題
海岸線が最も長い国はカナダですが、2番目に長い国はどこでしょう?
- 修正ポイント
-
クイズでは統計データを使った問題もよく出題されます。しかし、データを精査してみると、問題作成者が気づかない落とし穴が見つかることもあります。
この海岸線の問題の例ですが、アメリカのCIA(中央情報局)による『The World Factbook』のサイトを見てみましょう。(CIAといえば諜報活動で有名ですが、各国の情報をまとめた『The World Factbook』という刊行物も出しており、世界の統計データを調べる際にもよく利用されます) こちらには、世界各国の海岸線の長さが一覧としてまとめられています。
https://www.cia.gov/the-world-factbook/field/coastline/
CIAのデータでは、カナダが「20万2080 km」で1位です。注釈に「カナダの北極海諸島は36,563の島々からなり、そのうちのいくつかは世界の島でも特に大きく、このためカナダの海岸線は世界一長くなっている」とあります。ここから、カナダの海岸線のデータは本土だけでなく、島も含むことが分かります。
そして、カナダに次ぐ2位の国を探してみると、インドネシアが「5万4716 km」とありました。
…CIAのサイトだけを参照すると、答えは「インドネシア」で良さそうなのですが、実はこの問題はそう簡単にはいきません。
『ナショナルジオグラフィック』の過去の記事(2013年11月号)によると、ノルウェーの地理学者たちが、2011年まで3年がかりで、自国の海岸線の総延長を計算し直すプロジェクトを行ったそうです。以前よりも精密な地図を使い、過去に含まれていなかった無数の島を追加したところ、ノルウェーの海岸線は1万7700キロほど延びて約10万1000キロになったとあります。これはインドネシアの海岸線を大きく上回る数字です。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20131022/369950/ノルウェー政府の公式サイトも確認してみると、やはり「Norway has the second longest coastline in the world after Canada, with a length of 100,915 km including all the islands.(ノルウェーの海岸線はカナダに次いで世界で2番目に長く、全島を含めると10万915kmに及ぶ)」とあります。
なぜ、このような数字の違いが出てしまったのか。 改めて、CIAのサイトでノルウェーの項目をチェックしてみましょう。 CIAのデータではノルウェーの海岸線の長さは「2万5148km」となっているのですが、注釈に次のようなことが書いてありました。 length of island coastlines 58,133 km(島の海岸線の長さ5万8133km)
つまり、ノルウェーのデータとして採用されている「2万5148km」には島の海岸線「5万8133km」は含まれていないということなのです。 また、「2万5148km」 に島の海岸線「5万8133 km」を足しても、ノルウェー政府が公表している「10万915km」に及びませんが、これはCIAが採用しているデータ自体が古いためのようです。
結局、CIAのデータは、カナダは北極諸島の島々を含んでいるのに、ノルウェーは島を含まないというように、データ自体が統一的な基準でまとめられていないのです。さらに、データ自体も最新の研究が反映されていませんでした。
そのため、現在この問題を出題するのであれば、CIAがまとめた情報とは異なりますが、「ノルウェー」を正解とする方が適切だと考えられます。
この例で分かるように、クイズで統計に関する出題をするときは、CIAのように一見信憑性が高そうに思われる情報ソースでも、データが適切に取り扱われているのかきちんと確認する必要があります。 また、自然の地形という、一見データが変わりそうにないように思える題材でも、最新の研究を反映して情報が更新されることがあるのです。 最近では、最新の測量技術をもとに国土地理院が日本の島を数え直し、数字が36年前の2倍以上に増えたということもありました(1987年:6852島→2023年:1万4125島)。
クイズの問題を出題するときには、出典としたサイトに書かれていることを表面的に見るだけでなく、情報の妥当性を精査すること、経年による情報の変化がないことなどを、専門的な視点から注意深くリサーチすることが不可欠なのです。
TYPE-02
パズル系問題
パズル系問題 例1
- 問題
-
「?」に入れて矢印の方向に読むと、4つの二字熟語ができる漢字は何?
- 正解
雨
- 修正ポイント
-
この問題は別解を調べると、「夜」という答えも成立することが分かりました。
例えば「春」を「梅」に差し替えると、答えが「雨」に限定できます。
パズル系問題 例2
- 問題
-
選択肢の動物を選んでしりとりを完成させてください。
- 選択肢
- 正解
(シカ)→カバ→バク→クマ→(マントヒヒ)
- 修正ポイント
-
この問題には、実は
カウ ※ウシのこと
→ウルフ ※オオカミのこと
→フクログマ ※コアラのこと
という別解もあるため、出題するときはこれらの動物をひとつ差し替える必要があります。このように、クイズの問題のリサーチでは、英語や別名なども考慮して、穴がないかを検討します。
ひょっとしたら品種名、学名等も考慮するとさらに別解があるかもしれません…。
TYPE-03
情報系クイズ問題
情報系クイズ問題 例1
- 問題
-
次のうち、結婚式のご祝儀の金額としてふさわしいのはどれでしょう?
(A)2万円
(B)3万円
(C)4万円 - 正解
(B)3万円
- 修正ポイント
-
結婚式のご祝儀の額を「割り切れる」偶数にすることは長らくタブーとされてきたので、昔だったら「3万円」が正解で良かったかもしれません。しかし、最近では2万円も「ペア」を連想させるので問題ないと考える人が増えてきており、一概にNGとは言えなくなっています。
情報系クイズ問題 例2
- 問題
-
次のうち、冷蔵庫ではなく常温で保存した方がよい野菜はどれでしょう?
(A)キャベツ
(B)ジャガイモ
(C)ブロッコリー - 正解
(B)ジャガイモ
- 修正ポイント
-
一般にジャガイモは常温での保存が推奨されることが確かに多いのですが、梅雨や夏場には発芽を防ぐため冷蔵庫の野菜室での保存が適しています。このような題材をテレビなどで扱う場合には、「梅雨や夏場は除き、常温で保存した方がよい野菜」など表現を工夫する必要があります。
リサーチ代行の流れ
お問い合わせ
ヒアリング
メールベースでの情報交換となります(特に必要な場合を除いて会議には出席いたしません)。
見積り
発注・契約
リサーチ業務
会議や収録の日取りに基づき、決まったスケジュールでの情報(問題⇔リサーチ結果)のやりとりとなりますが、納品サイクルについては話し合いの上、決定させていただきます。また、ご契約内容によっては、分量にもよりますが24時間内の納品も可能です。
納品・請求
リサーチ代行のプラン
難易度 | ||
---|---|---|
PLAN.1 | 正誤の判定のみ(提出資料はなし) | 難易度:★☆☆☆☆ |
PLAN.2 | 正誤判定の根拠となる WEBコンテンツのURLの添付 |
難易度:★★☆☆☆ |
PLAN.3 | 同上コンテンツからの資料作成 | 難易度:★★★☆☆ |
PLAN.4 | 書籍からの資料作成 | 難易度:★★★★☆ |
PLAN.5 | 取材による資料作成 | 難易度:★★★★★ |
下になるほど工数がかかりますので、ご予算やスケジュールに合わせたプランでの作業を承ります。
提出資料は公式発表あるいは原典を基本とし、十分に信頼できる辞典・事典類や書籍、場合によっては新聞を中心としたメディア情報を併用させていただく場合があります。
また資料は複数ソースでのご提供が原則ですが、これも予算的・時間的な理由で1点のみの提出というケースもございます。
リサーチ代行のプラン
リサーチ代行の主な実績
問題監修
リサーチ
よくある質問
一般的なリサーチはどのような手順で行われるのでしょうか?
まず、インターネットで正確な事実関係が確認できるかどうかをチェックします。インターネット上だけで根拠が得られなかったことがらに関しては書籍・雑誌・新聞などの紙媒体をあたり、それでも十分な情報が得られなかった場合に関係機関や専門家への確認を行うという手順です。
詳しくは「リサーチ代行のプラン」をご確認ください。
発注から納品までの期間はどのぐらいでしょうか?
リサーチの量や難易度によりますが、例えば毎週放送のレギュラー番組のリサーチの場合、発注から納品まで24時間〜1週間というケースが多いです。制作スケジュールにより急なリサーチが発生した場合も極力対応しております。逆に大量となる場合は、納期をお見積りさせていただきますのでお気軽にご相談ください。
今日依頼をして、明日の納品というスケジュールでも可能でしょうか?
18時までにご依頼内容を確認できた際には、最速で翌日納品も可能ですが、分量・内容にもよりますので、ご相談ください。
急ぎの対応の場合、特急料金は発生するでしょうか?
お見積り時から納品までの期間を極端に圧縮した作業になる場合、特急料金をいただいております。具体的には作業難度と圧縮の程度により25~50%を加算させていただいております。特急料金加算の対象になるか否かについては、ご相談ください。
一回だけのリサーチ依頼も対応可能でしょうか?
はい。たとえばテレビ番組の場合、特番や企画もののコーナーのようなワンショットのリサーチにも、レギュラー番組のような定期的なリサーチにも対応します。もちろん、他の媒体や企画においても同様です。
どんなジャンルでもリサーチ可能でしょうか?
ファクトチェックに関してはリサーチの分野は問いません。もともと、森羅万象を取り上げるクイズを扱っている会社なので、専門性が要求される硬派なテーマから、最新のトピック・芸能・スポーツ・面白ネタまで、リサーチのジャンル自体は何でも対応可能です。しかしながら、医学分野やマナーなど断定的な結論を出しにくいことがらにおいては、あいまいな結果報告にならざるをえない場合があることをご承知おき願います。
納品はどのような形でされるでしょうか?
WEBコンテンツからのリサーチ資料作成の場合、ワードもしくはエクセルファイルに、エビデンスとなるサイトのURLと該当箇所の引用を記載し、修正が必要な箇所があった場合はその説明と修正案を添え、メールで納品するケースが一般的です。書籍によるリサーチが加わる場合は、該当ページのスキャンも合わせてお送りします。他にも、統計データの分析を含むケースでは、計算に使用したエクセルファイルを加えるなど、リサーチ内容に応じて適切な資料を添付して納品します。また、これ以外の納品方法を希望される場合も、対応いたします。
テレビ番組以外の媒体も取り扱っているでしょうか?
はい。例えばWEBメディアや出版物など、テレビ番組以外のリサーチも承ります。
クイズやパズル以外のリサーチも対応可能でしょうか?
はい。正確な情報を扱うことが要求されるコンテンツ(例えば情報番組・教養番組など)であれば、クイズ以外も取り扱っています。
ネタ出し・企画立案のためのリサーチも対応可能でしょうか?
はい。ファクトチェック以外にも、テレビ番組・出版・WEBコンテンツなどの企画立案にあたっての、ネタ出しなどのリサーチにも対応します。ただし、取材対象や撮影場所をブッキングするようなコーディネーター業務は行っておりませんので、ご了承ください。
原稿のチェックなども対応可能でしょうか?
はい。テレビ番組などにおけるナレーション原稿のチェックや、出版物・WEBメディアなどの校閲業務も承っています。リサーチの結果、原稿に不正確な箇所を見つけた際には、事実に基づく修正した言い回しの提案なども行っています。
外国語でのリサーチも対応可能でしょうか?
英語の文献リサーチには対応しています。必要に応じて英語の論文や統計など、専門的な資料をチェックするケースもあります。英語以外の外国語のリサーチが必要な場合も、内容次第では対応可能ですので、ご相談ください。
提出を受けたリサーチ結果に不備や誤りがあった場合は、どうなるでしょうか?
放送・ネット・紙媒体等において、発表前、かつ修正対応が可能な場合には、問題点を確認の上、弊社によるミスが明らかな場合はただちに再リサーチいたします。
不備や誤りのあるリサーチ結果によって受けた損害を補償していただけるのでしょうか?
弊社の作業ミスにより、お客様に何らかの費用負担や信頼の失墜が生じたとしても、弊社が賠償に応じることはできかねます。これは弊社がリサーチ業務を、事務処理を遂行する準委任契約のスタンスで請け負っているためです。とはいえ、お客様の受けたご迷惑を最大限軽減すべく、フォロー作業をいたします。また、事例の大きさにもよりますが、受注額の(一部)返上には応じる場合がございます。
誤りの修正対応はしてもらえるのでしょうか?
個々の契約内容にもよりますが、成果物の引き渡しから1年以内であれば、修正対応いたします。
問題作成からお願いできるでしょうか?
はい。弊社はクイズ問題作成がメイン業務です。実はリサーチより問題作成の方が早く、安くできる場合もありますので、お気軽にご相談ください。